「副業で介護派遣の仕事をしたいけど、単発の求人ってあるのかな」と、副業でできる単発介護派遣の仕事を探している方も多いでしょう。
介護はやりがいのある仕事ですが、ほかの業種と比べるとまだまだ給料は低いといえます。そのため、少しでも収入を上げたいと考えるのは自然なことです。
しかし、単発介護派遣の経験がない方には、求人のみつけ方や気を付ける点など、わからないことも多いでしょう。
本記事では介護の仕事を19年、現場の職員から施設ケアマネ・管理職を経験した筆者が単発の介護派遣について、その実態を明らかにします。
本記事を読み終えるころには、単発の介護派遣について詳しくなっていますよ。
本記事に最後まで目を通し「単発の介護派遣」について理解し、介護の副業でバリバリ稼ぎましょう。
介護で単発の派遣は可能!しかし条件がある
1日だけで終わる単発の派遣は原則禁止ですが、条件を満たせば単発の派遣が可能になります。
ここでは単発派遣が原則禁止されていることを確認し、単発の派遣ができる条件についてみていきます。
単発の介護派遣に興味がある方は以下の解説文に目を通し、どのような条件なのか理解しておきましょう。
単発派遣(日雇い派遣・スポット派遣)は原則禁止
労働者派遣法により31日未満の単発派遣は原則禁止されており、介護の仕事でも禁止されています。
31日未満の雇用では社会保険に加入できず、賞与や昇給も見込みがありません。また、次の仕事をみつけるまでの間の生活が不安定になってしまい、労働者の不利益が大きいため禁止されているのです。
ただし、一定の条件を満たせば、単発でも介護派遣の仕事は可能です。
単発派遣で働くには条件を満たす必要がある
派遣の仕事は一定の条件をクリアすれば、日雇いのバイト・パートやスポット派遣といった単発の働き方が可能です。一定の条件とは、以下の条件です。
上記の条件を満たせば、介護でも単発の派遣として働けます。
とはいえ「仕事をしながら休日に単発で介護の派遣をしたい」と考えている方は、上記の条件に当てはまる方は少ないかと思います。
それでは仕事をしながら空いた時間に、介護の単発派遣で働く方法はないのでしょうか。
単発派遣に似た働き方なら31日以上の契約で可能
単発の派遣労働は原則禁止されていますが、労働者派遣法に違反しない方法で介護派遣として単発で働ける方法があります。
実は31日以上の労働契約を結べば、単発の派遣でも働けるのです。31日以上の期間で雇用契約を結び、その期間内で週1日や週2日だけ働く契約内容にすればいいのです。
たとえば「1年間の雇用契約で、日曜日の午前中だけ入浴介助の業務を行う」といった契約が考えられます。
しかし「単発の介護派遣の働き方ができるのはわかったけど、どこで単発の仕事を探せばいいの?」と、思われる方も多いかと思います。
たしかに、単発派遣の働き方がわかっても、探し方がわからないとそもそも働けません。それでは、介護の単発派遣の仕事は、どうやって探すのでしょうか。
単発介護派遣の仕事はどうやってみつける
「単発介護の仕事をしたい」と思っても、どこで探せばいいのかわからない方もいるでしょう。ここでは、単発介護派遣の仕事に興味がある方へ、求人の探し方を紹介します。
以下にあげる探し方を参考に、あなたにあった単発介護派遣の仕事をみつけてください。紹介する求人の探し方は、以下の4つです。
- 直接問い合わせてみる
- 求人サイトで探す
- 単発専用アプリで検索する
- 派遣会社に登録する
直接問い合わせてみる
あなたが働きたいと思う施設があれば、直接問い合わせてみるのもいいでしょう。
求職活動は、ハローワークや求人サイトを通さなければいけない決まりはありません。気になる施設があれば、積極的に問い合わせてみましょう。
問い合わせは電話で行うのが確実ですが、施設がWebサイトを運営している場合は問い合わせフォームやメールで問い合わせる方法もあります。
ただし、何年もWebサイトを更新していない施設も多いため、問い合わせに時間がかかるケースも珍しくありません。それゆえ、電話で問い合わせるのが確実です。
求人サイトで探す
求人サイトで「1日でもOK」や「1日~5日できる方」など、1日から勤務できることをアピールしている施設が狙い目です。
求人している施設としては、長期間勤務できる方を優先したいのが本音でしょう。しかし、フルタイムで長期間勤務できる方は、なかなか求人に応募してこないのが実情です。
そのため、1日でも勤務可とする施設が増えてきています。1日でも勤務可能なところで、自分に合いそうな施設をピックアップしましょう。
単発専用アプリで検索する
介護向けの求人アプリでも、単発介護の仕事を探せます。
アプリの登録方法も簡単で、アプリをインストールして身分証明書の認証を行えばすぐに利用可能です。
求人アプリはGPSを利用しているため、近くの求人情報がいち早く手に入ります。また、求人の新着情報を通知してくれるので、自分に合った求人を見逃しません。
スマホから求人を確認でき、そのまま応募までできるので、隙間時間での仕事探しにピッタリでしょう。
派遣会社に登録する
単発介護の求人を探すなら、派遣会社に登録するのも一つの手です。派遣会社に登録すると自分にあった求人を派遣会社が探してくれるので、余計な手間がかかりません。
希望の勤務時間や待遇などの交渉も、エージェントに任せられます。そのため、仕事やプライベートが忙しくて、仕事探しに時間を使えない方にもおすすめです。
登録から就職まで無料でできるため、仕事を探している方だけでなくこれから単発派遣をしてみたい方も、ぜひ相談してみてください。
単発の介護派遣では時給1,700円もある
求人サイトで確認できる単発介護派遣の時給は、1,200円~1,700円です。
令和4年度の介護従事者処遇状況等調査結果によると、介護福祉士の平均給与(時給・非常勤の者)は月額134,680円で、時給に換算すると1,454円でした。(実労働92.6時間で計算)
そのため、非常勤職員として働くよりも介護派遣で働いた方が、高い時給をもらえるケースもあるのです。
経験が長く介護福祉士の資格を保有している方は、単発の介護派遣でも十分高い時給が望めるでしょう。
出典:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/22/dl/r04kekka.pdf
単発の介護派遣で気を付けること
単発の介護派遣を行う際に、注意してほしいことがいくつかあります。ここでは、単発介護派遣の注意点を4つ取り上げ、詳しく解説します。
単発介護派遣で働く前に本章へ目を通し、思わぬトラブルに陥らないように備えましょう。
- 副業の場合本業の職場にバレる可能性がある
- 即戦力を求められる
- 求人が少ない
- 職場での人間関係を深められない
副業の場合本業の職場にバレる可能性がある
本業の職場に内緒で、副業として単発の派遣を考えている方もいるでしょう。内緒で単発派遣を行う場合は、本業の職場に気付かれるケースがあることを知っておいてください。
たとえば、確定申告で副業に気付かれているケースがあります。収入が年間20万を超えると、確定申告しないけません。収入には副業も含まれるため、副業での収入を含めた副業総収入について、確定申告の必要があります。
確定申告をもとに翌年の住民税を決めますが、住民税を給与から差し引いている職場(特別徴収)では、住民税が増えたことで副業がバレるかもしれないのです
そのため、確定申告の際に徴収方法を普通徴収(自分で納税する方法)を選択しましょう。普通徴収を選択すれば勤め先に住民税の通知が行かないため、副業していることを隠せます。
即戦力を求められる
介護派遣の単発仕事では、即戦力を求められます。
単発の介護派遣を利用する施設は、ほとんどがスタッフの人材不足で困っているところでしょう。単発でもいいから人手が欲しいと、派遣を頼んでいると思われます。
深刻な人手不足の事業所だと十分な新人教育は期待できないため、派遣会社には即戦力の人材を求めている可能性があります。
そのため、介護技術については当然身についているものとみなされるでしょう。
勤務初日に簡単な業務内容の説明だけ、最初の数回は先輩職員と一緒に勤務して、その後は一人立ちになる可能性もあります。
ひどいところだとサポートも無く、最初から一人で勤務させるところもあるようです。
夜勤も同様で、手取り足取り教えてくれないでしょう。それゆえ、介護の基本技術を身に付けていない人には、単発介護派遣は厳しいかもしれません。
求人が少ない
単発介護派遣の求人数は、あまり多くありません。どの業界にもいえることですが、介護業界でも長期的な雇用を前提とした求人が多く、単発や短期間での勤務を希望する施設は限られています。
しかしここ数年は、人手不足の影響でさまざまな働き方を用意している施設も多くなっています。求人サイトをみても「1日からOK」「働き方を選べます」などの言葉も、よく目にするようになりました。
そのため「1日から」「短時間でもOK」などで求人している施設をみつけたら、あなたが希望する働き方を交渉してみましょう。
職場での人間関係を深められない
週1日程度の短期間で働く単発派遣の性質上、ほかのスタッフと馴染むには時間がかかります。
また、派遣職員はいずれいなくなる人との認識のため、ほかのスタッフも積極的に関わろうとはしないでしょう。
さらに、いずれいなくなる人を熱心に育てようとする管理職も少数です。それゆえ、単発介護派遣は、ドライな人間関係になりがちです。
そして派遣期間が終われば、次の職場で一から人間関係を作り直さなくてはならないでしょう
そのため、人と深い関りを持ちながら仕事を進めたい方には、単発介護派遣には向いていません。
単発の介護派遣以外にも収入アップのお仕事はある
本業以外に介護の副業をして収入をアップさせたいなら、「登録ヘルパー」や「夜勤専従」で働くといった手もあります。
以下の「登録ヘルパー」と「夜勤専従」について解説文を読んで、副業の幅を広げてください。
訪問介護の登録ヘルパー
登録ヘルパーは、自分のスケジュールに合わせて利用者の自宅を訪問し、生活支援や身体介護を行います。そのため、単発の介護派遣に近い働き方が可能です。
さまざまな状態の利用者さんと接する機会をもてるため、介護職としていろいろな経験を積めるでしょう。柔軟な働き方ができるため、副業としてはおすすめなお仕事です。
登録ヘルパーはやりがいを感じられる一方で、仕事が急にキャンセルになることもあります。そのため、収入面は不安定になりがちなので注意してください。
夜勤専従
介護の夜勤専従は高い手当をもらえるため、収入面での利点が大きいといえます。また、昼間の時間を自由に使えるため、プライベートの時間を重視する人に適しているでしょう。
しかし、夜勤専従には生活リズムの乱れや精神的・肉体的な負担が大きくなるリスクも伴います。
夜間は職員数が限られているため、一人あたりの業務量が増えます。さらに緊急事態への対応も求められ、相当なストレスを感じるでしょう。
夜勤専従を長期間続ける場合は、健康管理やストレス対策が非常に重要になります。
単発の介護派遣で収入アップを目指そう【まとめ】
単発の派遣労働は原則禁止されていますが、31日以上の雇用契約を結んだ上で週1日といった働き方は可能です。
単発介護派遣は副業としては魅力的な仕事ですが、仕事をみつけにくいのが難点でしょう。仕事をしながら探すとなればなおさらです。
単発介護派遣を探す方法はいろいろありますが、派遣会社に登録するのが手っ取り早い方法です。
介護派遣なら登録してあなたの希望を伝えるだけで、派遣会社のエージェントがピッタリの求人を探してくれます。
登録や相談に費用はかからないため、単発介護派遣に興味がある方は気軽に相談してみてください。きっとあなたに合った求人をみつけてくれますよ。